速度超過トラブル「ゼロ」の実績。安全と利便の徹底
まず、電車といえば気になるのが、尼崎JR脱線事故の話。速度オーバーが起こりえるのかどうか、質問をぶつけてみました。「決して速度超過しないよう、最高速度を自動的に制限するシステムが導入されています。お陰で、1981年に国内初の自動運転システムで運行開始以来、事故はおろか一度も速度超過トラブルはありません。つまり、自動運転システムには25年間の安全実績があるということです。」最強の説得力です。勿論、尼崎事故の後、念には念を入れて、システム自身のトラブル対策を二重から三重にしたそうです。
他にも、「お客様の乗降時間はマチマチなので、どうしてもダイヤに若干のズレが出てきますが、これも常に安全で適正な列車間距離を保つよう、運行中の列車全体に対してダイヤを常時補正しています。」とのことでした。最も安全な状態で自動運転を常に保つことを前提に、全てのシステムが設計されています。素直に感心してしまいました。
「連絡電話」など、自動運転ならではの対策の数々
他にも、自動運転ならではの興味深い安全対策を説明していただきました。
- ◇ドアの挟まれ自動感知システム
- 自動ドアは、異物を挟むのを感じたら、自動的に開くようになっているそうで、これはホーム側の自動ドアも同じ仕組みだそうです。この仕組みは新交通系の自動運転車両(東京ゆりかもめ、大阪ニュートラム、etc.)であれば全て備わっているそうですが、普通の電鉄だと、車掌さんが扉開閉ランプ(車両側面上側にある赤いランプ)を見ながら手動操作しています。
- ◇「非常通報電話」ではなく「連絡電話」
- 車内の壁に電話ボックスがありますが、「連絡電話」と表記されています。一見、普通の電車や高速道路で見かける非常通報装置に見えますが、実は、緊急でなくても使用していいそうです。「どこで降りたらいいんですか?」という電話もたまにかかってくるそうです(笑)。車掌さんを乗せていない代わりに、乗客との連絡手段を備えています。
- ◇車内不審物対策
- これだけは、システムで対応できません。ですから、地下鉄サリン事件の後、職員が消毒液を持参の上、見回りの為だけに同乗していたそうです。ホームにあるゴミ箱も、全て監視カメラの視野に入るように配置されています。
- ◇緊急時に備えて、職員もたまに手動運転
- もしもの緊急時には手動運転せざるを得ないので、職員は運転の勘を保つため、たまに手動運転をするそうです。(一番前の運転ボックスは、普段は蓋がされて鍵がかかっており、子供たちの特等席になっています。)
これらは、全て自動運転システムなら当たり前のように思われるかもしれませんが、これを25年も前に設計して作り上げていたことに、素直に感心しました。
- 2006.4.28
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