いまや、欠かせない建築素材として生活に浸透しているガラス。窓ガラスを代表に、ショーウインドウやオフィスのパーティションとして、壁の一部として、階段やエスカレーター、吹き抜けに面した通路の柵として、建築材としての機能のみならず空間を演出する素材として利用されています。
その最大の理由は、ガラスの「透過性」にあります。部屋がすべて窓のない壁に覆われていたらどうでしょう? きっと息苦しさを感じてしまうでしょう。
人が空間を認知して、「心地いい」とか「息苦しい」といった印象を感じる要素には、いろいろなものがあるといわれます。室内であれば広さと天井の高さはもちろん、壁などの配色、照明の具合ばかりでなく、流れている音楽や、その人個人の気分によっても、空間の感覚は変化します。この人間と環境のさまざまな関連性を研究する学際的な「環境心理学」という分野は、近年、建築や街づくり、空間づくりの中で注目されているのです。
■日本文化の中の、ガラスの位置
ちょっと難しい話になってしまいましたが、ここでは「ガラスを使った空間演出」について考えてみましょう。冒頭で挙げた、建築素材としてのガラスの最大の特徴、透過性がもたらす効果とはどのようなものでしょうか?
私たちの感覚器官はとても繊細で複雑です。一体感を得られる広い空間は活動意欲をもたらし、同時に、特に日本では古来からプライバシーを重んじ、茶室のような仕切られた空間に安らぎを感じてきました。一日の大半を過ごすオフィス空間では、この活動力と安らぎの双方から空間演出を考えなければなりません。そこで活用されるのが、ガラスです。
■空間の広がりとプライバシーをガラスで実現
また、日本では江戸時代から「透かし」の文化を形成してきました。それは「障子」や「すだれ」のように、視線をさえぎりながら光や風を通し、プライバシーを重んじつつ空間の広がりを表現する生活様式に表れています。それでガラスも、無色透明なものよりも乳白色など「透かし」を生かしたものが好まれているのかもしれません。ガラスの表面を模様替えするだけで、空間の印象はガラっと変わるのです。
■快適なオフィス空間を、豊富なシリーズから
ガラスの向こうに、うっすらと感じる人の気配。会議室などの小さな空間でも閉塞感を感じることなく、視線からはさえぎられている安心を得られるガラスシェードは、職場の環境づくりに欠かせない要素になってきています。コラボの「ファサラ ガラスシェード」では「フロストシリーズ」や「和紙シリーズ」など、多様な柄をそろえてオフィスの空間演出をサポートしています。
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